感想

くらげなす漂うアメリカンアパレル

青のフラッグ39話、40話の感想を述べ、コメ欄のほんの一部をあたかも全体であるかのように扱い文句をいうエントリ

コメント欄熟読おばさん(再度)

青のフラッグ41話が更新されるのは2月13日ギャレンタインデーの日だった今日じゃないそれはまちがいない。

というわけで朝からホットケーキ(パンケーキたべたいパンケーキたべたいパンケーキたべた芸人はKUSAI♡)焼きつ食べ焼きつたべ、朝から雨で私は青のフラッグ40話をよみかえしコメント熟読、39話を読みかえしコメント熟読。そう私はジャンププラスとYouTubeのコメント欄熟読おばさんとして活躍中のバスティンロビンス(サーティワン)なのだ…。

 

青フラ39話おさらいと感想

自分と同じ女性にしか性的感情を抱けないことで悩みつづけるキャラクター真澄ちゃんが、ついにアキコ(トーマの姉)に悩みを打ち明ける。すると(私的には)驚きのお悩み相談アドバイザーとしてのアキコの顏が明らかとなる。

「好きになる人が普通の人と違う?」アキコはしょっぱなからぶっ放す。「それってどっちの問題かしら? 性的指向/セクシャル・オリエンテーション? 性的嗜好/セクシャル・プレファレンス?」〝好きになる人が普通の人と違う〟という情報だけで指向・嗜好を持ち出すアキコの日本人離れした知識には驚かされるが、「あっあっ ちょっと待って……ごめん……それはいいわ。ごめんね。どっちだったらどうって話じゃないし」というアキコ氏。つまり、「指向でも嗜好でも悩んでることに変わりないんだものね」というアキコの態度におったまぶったま目ん玉とびでるんだ。指向と嗜好。その2点の違いを強調すれば、たとえば同性間における恋愛結婚の正当性を証明するのも簡単なのだが、そこに逃げず、真澄ちゃんの悩みに真摯に向き合ってる。簡単に人を裁こうとしない、アキコの深さ寛容さやさしさがにじみ出ている一コマ(じっさいは11コマくらい)である。

ちなみに真澄ちゃんは性的指向のことで悩んでいる。少し前に杉田水脈という議員が、 性的嗜好と指向をごちゃまぜにして話し、間違った知識をおしげもなく披露してくれたことがある。そのとき一部インテリ層がその点を指摘した。差別的という流れはもちろんあるもののさ、私のなかでは、水脈はん、ふつうに知識が間違ってるだけやん、となった。つまり複合的に杉田水脈さんは勉強不足だということになった。だがしかし、青フラのアキコがいうように、また『泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました』の作者ペス山ポピー氏のように、性的嗜好のことで悩んでいる人もいるのが事実である。安易に指向と嗜好は違う(指向の勝ち!)とせず、「他者と共感しあえない」「人にいえないことを抱え、抱えていることに罪の意識を抱き、自分を罰してしまう」など、等身大の気持ちに寄り添った描写ができる青フラ作者KAITO氏、やるな。

 

しかしそんななか、コメント欄に発見して息が止まりそうになるのが「アキコの谷間問題」である。以下抜粋。

「やっぱり妊婦が胸の谷間見せてるの気になる

この姉さん頭悪いかユルいんだろなと思ってしまう」

この偏見払拭漫画で、まさかのド偏見コメンツである。

そう、アキコは基本的に谷間をあらわにしているキャラクターだ。妊婦で、お腹もかなり大きくなっており、さぞかし胸も張って痛かろうと思う。大きくなりすぎた胸のその谷間がかなりの確率でむきだしてある。妊婦のデコルテが美しいというのは常識だと思うが、一部読者はそのお胸をどうにか隠してほしいらしい。

アキコの胸元に関するコメントは、なにもいまに始まったことではなく、前々からあった。「旦那さんいるのに露出しすぎ」「妊婦なのに」だのなんだのと胸×妊婦×既婚を関連づけているコメントを見ると、こりゃ日本の負の部分だわなと感じる。まみの件もそうだが、女が媚びてるだのぱいおつだのぱいおつは男子をむらむらさせるためだけにあると信じている男子&女子&おばさま&おじさま連中は自らを恥じるべし。(が、じつはきもちはわからんでもない。自らの腹の底に眠っている男尊女卑的感情!!!! これをわたしは嫌悪する)

 

青フラ40話おさらいと感想

というわけでというわけで、青のフラッグ41話が待ち遠しいことこの上なき一週間をきもちよくスタートさせるべく40話のおさらいをいたしましょう!

文化祭の終盤、まみとトーマは教室でふたりきり。まみはトーマに再度好きだといい、しかし友人として付き合いたいのだという。以下、せりふを要約する。

「アタシが男だったら、トーマへの異性愛的な〝好き〟は同性間の友情としての〝好き〟になり、周りにも文句など言われず、1番の親友になれていたはずだ」

また、たびたび愛の告白をしてくるケンスケに関しても言及する。

「好いてもらえるのはうれしい。でもアタシがケンスケを好きになれないのは仕方のないことだから、それを責められるのは不快である」

さらに、「アタシに触られるのは気持ちが悪い?」とトーマに訊く。ここでの「気持ち悪い」はおそらく、性的感情が込められているように感じられるかどうかという話だろう。まみ的には、男同士の友情〟を模したような感覚で触っているのだが、トーマに気持ち悪いと思われていたら本末が転倒してしまうので確認したいのだろう。

ところでこの教室の一件の前に、トーマは太一に告白しかけており、触りかけている。壁ドンならぬ手すりドンをしながら、おれがほんとに欲しいものを教えてやろうかととてもイケメンに許された発言をしている。しかし太一の表情などから嫌悪(じっさいは恐怖)を感じ取ったトーマは、思いを告げずに退散する。トーマが〝好きな人に気持ち悪いと思われたくない〟という感情を神経むきだしの生の状態で抱いていたふたりきりの教室で、まみに共感を覚えていたのは明らかだろう。共感というかシンパシーというか瞬間、心、重ねてというかシンクロに近いモノがあったろう。トーマはついにまみに「好きな人がいる」といった。またせりふで言及されたわけではないが、暗に一ノ瀬太一の名前を出したのではないかと思われるような描写も見られる。それなので、「おれが好きなのは」のあとに本音を話したのであろうことは間違いなさそうだ。

廊下ですべてを立ち聞きしていたケンスケがぶちぎれて飛び込んできて胸ぐらつかんでわっちゃーってなる。その隣にいたしんご(人気投票1位確実カチューシャ男子)の痛ましい表情ときたらこれはもう……。しんごの表情が物語る、まみもケンスケもトーマもみんなの辛苦と愛がおいたわしや!!!!!というような。しんご……っ!

同じとき、文化祭学園祭のリアの充的なメインイベントを講堂体育館で見ていた太一とふたばだったが、隣にいた野球部2人組のところにメールおよび一本の電話が入る。野球部員いわく「一ノ瀬!!!」「トーマが!!!!!」(本編には「!」多用するようなお下品さはいちみりもございません)

最後の見えていた世界が変わる。〟という煽り文句からして、次週はトーマの性的指向が周囲(すくなくとも太一)に明かされるのだろう。