感想

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青のフラッグ41話と同性愛嫌悪と簡単LGBTQ用語

さっき青のフラッグ41話を読み終えた。トーマの笑顔がかなしくて星空がきれいでいろいろな思い出がよみがえってきて号泣してた。

作者さんの表現力すごいわ。

 

 

いままで物語内でほのめかしは多々あったものの明言はされていなかったトーマの恋心であるが、青のフラッグ41話では、ついにその思いがはっきりと口に出される。

また、トーマのカミングアウトはマミ、ケンスケ、シンゴを巻き込んで学内事件の様相を帯びてしまった。男子3人は停学し、マミは学校を休んでいる(クラスメイトにねほりはほり聞かれることを見越して休んだのだろう)。

トーマのセクシャリティをめぐるひそひそ話が学校中にひろがっており、渦中の太一は幼馴染で親友のトーマの本当の気持ちを測りかねている。告白と謝罪を受け、太一は何を思うのだろうか。

 

いつものようにコメント欄を熟読してみた。すると感想のタイプを大きく4つに分けることができた(むりやり分けた)。

(1)「つらい、泣いた」など感情移入する素直意見

(2)モブの同性愛に対する発言「襲われたら勝てない」についての反発意見

(3)ケンスケむかつく意見(orケンスケむかつくは違うんじゃないか意見)

(4)「俺にはゲイを受け入れるのは無理」という男子意見

 

このうち、(2)と(4)のテーマはどちらもホモフォビアに関するものだと思うので、今回はそのことについて少し書いてみようとおもう。

 

青のフラッグのコメント欄はおおむね好意的であるが、たまにものすごい拒否反応をそのまま書いている読者もいるので驚かされる。と同時に、これがホモフォビアというものかと妙に納得するのである。

ホモフォビアとは「同性愛嫌悪」である。同性愛が悪しきものとされるキリスト教イスラム教の宗教的背景から、どうしても受け付けられない=嫌悪するというひともいる。中東やアフリカでは同性愛が極刑となる可能性もあるし、中華人民共和国では同性愛が精神疾患としてあつかわれる(現在も世論にその名残がある)など弾圧の対象である。

同性間の性愛行為は、アフリカ大陸の38か国(54か国中)、イラン、サウジアラビアアラブ首長国連邦、イエメン、アフガニスタンパキスタン北朝鮮、マレーシアなどで違法。極刑の場合も。またややこしいがキリスト教イスラム教は最高神が同じである。

 

ここ日本でも、イスラム教、キリスト教の影響がうっすらしみわたっているという可能性もなくはないだろう。ザビエルが1549年に来日してから、キリスト教は長いこと信者を集めてきた。約400年の後の第二次世界大戦後、日本はアメリカのものになった。憲法アメリカ人が作った。だから民間にキリスト教的価値観がひたひたひたっとしみわたっている可能性はある。

 

とはいっても、やっぱし、日本では感覚的なホモフォビアが多いんではないかというのが私の意見である。

感覚的に無理、なホモフォビアの場合、そこには「自分もホモかもしれない」などの恐怖心が関係しているとされている。自分のなかにあるものを恐れているという説である。

 

私はガクトが嫌いで、しゃべくり007に出てるのをみておえーー見たくねえわと思ったのだが、よくよく内省してみると、私はガクトに(性的に)興味があるからこそ嫌悪感を抱いたのではないかと思った。だってわざわざ夫に、「私このひと嫌いなんだよね」というくらいだからである。以前、斎藤工が大人気だったころ、「斎藤工まじきもい」と言っていた女の子がいたが、彼女は「斎藤工に関心を抱いてしまう自分自身」をきもいと感じていたにすぎないのかもしれない。

そういえばジャンププラスには『モネさんのマジメすぎるつき合い方』というエロ漫画があり、新連載当初から尋常でない非難コメントを浴びつづけている。これは、『モネさんのマジメすぎるつき合い方があまりにもストレートにエロ漫画であるために、「エロ漫画で興奮する自分自身」を嫌悪する読者が多いためだろう。かれらは「モネさん」には拒否反応をみせるが『早乙女姉妹は漫画のためなら!?』には好意的である。後者もエロ漫画ではあるがギャグ要素がふんだんにちりばめられており、それが読者の罪悪感を拭い去るワイパー的な役割を果たしている。「モネさん」にもギャグ要素はあるが作者のギャグセンスが低いため罪悪感を払拭できず、結果、読者の自己嫌悪だけが残ってしまう。ジャンププラスを読む層は幅広いだろうが、たとえ60代のおばさん(孫持ち)だとて、少年の魂がまだ健在だからジャンププラスを読むのである。ちょっと長くなり過ぎたが、少年の魂を内奥に宿していれば、たとい60代の孫持ちおばさんでもドエロイ漫画にギャグ要素を求めるのである。

 

ながすぎる。。。。

 

すみません。。

 

とにかく、ホモフォビアには同性愛者への高い関心とそれに対する自己嫌悪がつきものなのだ。同性愛にかんしてべつにどうでもいいと思っている人は、わざわざ「俺は無理」などとコメントを残すなんて愚行しないはずだ。なぜか「自分が被害をこうむるかもしれない」と悩んでしまうのがホモフォビアな人々なのである。だから青のフラッグ41話の冒頭~数ページでモブ男子たちは「襲われたら勝てない」などと発言したのである。

ちなみにこれは男子だけに限らず、ノンケのひどい行動あるあるかもしれない。私も中学時代、友人に「りょうごくがレズ(ビアン)だったら友だちやめるわ」と言われたことがある。10年ほど経って同窓会でカムアウトした際、当時の発言について訊くと、彼女はすっかりそのひどい言葉を忘れていた。しかも私以外のビアンさんの友だちもいるらしく偏見はまったくなくなっていて、「彼女できたら教えてね♡」などと言ってくるレベルだった。人は人との関りでどんどん変わっていくものなのだと思う。

 

 

LGBTQの用語について

 

コメ欄で間違ってる使い方をしてるひとが多くみられたので超簡単にまとめる。

 

ジェンダー=社会的な性(自分の性別は?)

セクシャリティ=生物的な性(だれが好き?/好きな人がいない?)

 

ジェンダー→人間が作った共同幻想。自分で決められる。

セクシャリティ→もともと女が好きだったり、男しか好きになれなかったり、男か女かに限定できなかったり。自分で決めようとしても、どうしようもないことも多い。

 

ジェンダー

シス…生まれつきの肉体的性別と、自分が決める性別が、ほぼ一致している

トランス…生まれつきの肉体的性別と、自分がこうだと思う性別が違う(生まれつきの肉体は女だが、自分が思うに自分は男である、など)

X…男女どちらでもない/男女どちらでもある

セクシャリティセクシュアリティ

ゲイ…同性が好き、男性として男性が好き

レズビアン(ゲイ)…女性として女性が好き

バイ…男性も女性も好き

パン…同性も異性もトランスもXも好き

Aセクシャル、アセクシャル…性愛の情を抱かない

ジェンダーセクシャリティ

エスチョニング…まだ自分が男女またはXのうちどれであるか決めていない。また、どの性が好きか決めていない、迷っている

 

以上!まちがってたら教えてね。

 

あしたはバレンタインデイ!!!いえーい。